日本の文化.風習の起源はどこからきているのか?
パート4

大国主神と交渉し、葦原中国の統治権を天孫族に譲り渡し 天照大神の子孫であるニニギノミコトが地上に降り立ち、葦原中国を平定した神話そして 神話に刻まれた愛の奇跡で皇室の祖となった二人の出会いニニギとサクヤヒメが紡ぐ日本国の始まりを彩った 神話と歴史が交差する浪漫や日本文化の根源を紐解き解説していきます。

高千穂(たかちほ)の久士布流多気(くじふるたけ)に降り立ったニニギ命は、笠沙の岬で、 美しい乙女に出会いました。大山津見神おおやまつみのかみの娘、木花咲耶比売このはなさくやひめでした。 ニニギ命が、父のオオヤマツミ神のところへ使いを出して、結婚を申し出ると、父のオオヤマツミ神は大喜びして、 コノハナサクヤビメを姉のイワナガヒメとともに結婚するように申し出で、たくさんの贈り物とともにニニギ命の 元に送り届けました。ところが、姉のイワナガヒメを見るとたいへん醜かったので、送り返すことにし、 コノハナサクヤビメだけを自分の元に留めて、結婚しました。それを知った父のオオヤマツミ神は悲しみ、 わたしの二人の娘を使わしたのには理由があります。姉のイワナガヒメは石のように堅く長寿を意味しており、 妹のコノハナサクヤビメは、花のように栄えることを意味します。コノハナサクヤビメだけをお留めになったので、 天つ神の御子であられるニニギ命は、木に咲く桜の花のように短いご寿命になるでしょう。」と申し上げました。 このために、今に至るまで、代々の天皇には、ご寿命があるのです。

木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)は、桜の如く華やかに咲いて、
桜のように儚く散った絶世の美女。まさに美人薄命を絵に描いたような神様です。
天照大御神(アマテラスオオミカミ)の天孫、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)に一目惚れされ、
妻となりました。日本神話で最も美しいと誉れ高い女神です。

『サクヤ姫の出産神話』

このはなさくやひめが、火の中で出産する神話(古事記より)

火の中

『古事記 : 国宝真福寺本』上,
京都印書館,昭和20.
国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/pid/1184132 (参照 2023-12-15)

コノハナサクヤヒメの逸話(古事記より)
懐妊の際には瓊々杵尊が木花之佐久夜毘売命の不貞を疑った との逸話が残っています。そのため木花之佐久夜毘売命は 身の潔白を証明するために、燃え盛る炎に包まれた産屋で 無事に3人の皇子を出産したとされています。 鎮火、水の神、山の神とされてます。

🔖日本書記では5人の皇子とされてます鵜葺草葺不合命(うがやふきあえずのみこと) 火闌降命(ほのすそりのみこと)、火折尊(ほおりのみこと) 彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)、押神命(おしかみのみこと)。

瓊瓊杵尊と木花之佐久夜毘売
(ニニギとコノハナサクヤヒメ)の3人の皇子

第1子
火が燃え始めた時に生まれたのが火照命
(ホデリノミコト)、
別名:火闌降命(ほのすそりのみこと)火の神
火の神であり、火山や温泉の神格とされる。
隼人族の祖とされる。

第2子
火の勢いが強くなっていった時に生まれたのが
火須勢理命(ホスセリノミコト)、
別名:火折尊(ほおりのみこと)水山の神
海幸彦と山幸彦の物語で有名な神。
海の神と山の神としての側面を持つ。
農耕や漁業の神とされる。

第3子
火の勢いが衰えてきた時に生まれたのが火遠理命
(ホオリノミコト)である。
別名:彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)
火折尊の弟。
山幸彦と同一視される。
豊玉姫と結婚し、鵜葺草葺不合命をもうける。
神武天皇の祖父。

古事記では、アバターになったニニギ
天孫降臨神話は、皇室の権威の正当性を神話によって説明したものです。皇室は天照大御神の直系の子孫であり、 地上を治める権利を持っているという物語になっています。また、この神話には、稲作の起源や、男女の役割分担、 命は有限であること。愛、責任、命、社会、歴史など、様々なテーマを考えさせられる奥深い物語です。 一瞬一瞬を大切にして生きることが重要であることを教えてくれました。 ニニギとサクヤヒメの結婚は日本の神話の中で重要な役割を果たしているのです。

『コノハナサクヤヒメが桜イメージの意味を持っているのか?』

1. 美しさ
桜は、日本を代表する美しい花です。その華麗な咲き姿は、コノハナサクヤヒメの美しさを象徴しています。
2. 儚さ
桜は、美しい花を咲かせる一方で、散りやすく儚い花でもあります。これは、コノハナサクヤヒメの
命の儚さを表していると考えられます。
3. 豊穣
桜は、春の訪れを告げる花です。桜の開花は、新しい生命の誕生と豊穣を象徴しています。
4. 愛情
桜は、古来から恋愛の象徴として親しまれてきました。桜の花言葉は「優美な女性」「心の美しさ」であり、
コノハナサクヤヒメに対するニニギの愛情を表していると考えられます。
5. 生命の循環
桜は、春に咲き、夏に青葉となり、秋に紅葉し、冬に枯れるというように、生命の循環を象徴する
花でもあります。これは、コノハナサクヤヒメが死後も新たな命として生まれ変わることを暗示されてる
6. 日本人の精神
桜は、日本人の精神を象徴する花とも言えます。桜の儚さは、死生観や無常観に通じるものがあり、
日本人の美意識や精神性と深く結びついています。

神古代の桜は現在私達が桜と言っているソメイヨシノではなく別種になります。
サクヤヒメをイメージした桜の種類は定かではありませんが、
古来より日本に自生していた山桜の在来種であると思われます。
今も日本最古といわれる、山梨県北杜市(ほくとし)の実相寺にある樹齢2000年の
(エドヒガンザクラ)桜、山高神代桜が毎年咲き楽しませてくれてます。

エド桜

『木花咲耶姫(このはなさくやひめ)を富士山の神として祀っている理由』

「富士本宮浅間社記」より、
第7代孝霊天皇の御代、富士山が大噴火をしたため、 周辺住民は離散し、荒れ果てた状態が長期に及んだとあります。 第11代垂仁天皇はこれを憂い、その3年(BC27)に浅間大神を 山足の地に祀り山霊を鎮められました。 その後は姫神の水徳をもって噴火が静まり、平穏な日々が 送れるようになったと伝えられています。

父親が山の神であるため、揃って山の神様として祀られている ことが多いコノハナサクヤヒメ。 なかでも富士山本宮浅間大社が有名です。 浅間神社は全国に1,300社以上も存在し、 コノハナサクヤヒメが主祭神とされ、そこに姉イワナガヒメも 合わせて祀られていることがほとんどです。 富士山はもともと山そのものがご神体ですが、 富士山の大噴火の為荒廃が長期にあり、朝廷からの 勅使による国土安泰を祈願する富士山鎮火祭が執行された と伝わってます。江戸時代にも大噴火を起こした活火山です。 鎮火のために、水の神であるコノハナサクヤヒメが 祀られたともいわれています。

富士山の鎮火を願い木花咲耶姫が祀られた
『富士山本宮浅間大社』

本浅間

よく使われている日本を代表するショット
新倉富士浅間神社の桜と慰霊塔
こちらの神社にも「このはなさくや姫」が祀られてます

新倉

水田稲作の導入は、日本社会に大きく変革をもたらしました。
水田稲作の普及は、定住型の農耕社会の形成を促進し、
人口増加と社会の複雑化につながりました。
お祭りは、農耕儀礼が起源である。
農耕儀礼は、豊作を祈願するために行われていた。
農耕儀礼は、後に神仏習合の影響を受けて、現在のお祭りの起源になりました。
ここで農耕民族である日本国の礎が『天孫降臨』によってととのった。
天孫降臨によって、それまで混沌としていた地上に秩序が生まれ、
社会が形成され天皇家による統治が始まり初代神武天皇の祖が
『天孫降臨神話』によって、 礎となった日本国の誕生神話です。